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山形にあります「紅花資料館物産館」を御存知でしょうか。 こちらでは紅花で作られた口紅「小町紅」を扱っておられます。 この「小町紅」 山形県産の紅花を使用なさっているそうです。 届けていただきました紅を 物産館の方に教えていただきましたとおり、紅筆にてさしてみました。 「小町紅」。想像以上の美しい色合いでございました。 部屋の中で見てもきれいなのですが 日の光のさすところで見ますと、また一段と美しいのです。 とても自然な色合いで、私たち日本人の肌にとてもよく合います。 深くて そして 優しい色。 普段 さほど鏡を意識しない私も さすがにこの日だけは、鏡を覗き込む回数が多くなりました(笑)。 もっと驚きましたのは 夜に紅を落としました時のこと。 紅花には「血行を良くする」作用がございますが、紅を落としたあとでも 唇がほんのり紅いのです。こんなことは初めてでございました。 ・・・ふと 万葉集の歌を思い起こしました。 稲搗けば かかる吾が手を 今夜もか 殿の若子が 取りて嘆かむ この歌を詠った女性は、身分の違う方と恋をしている。 一説には この歌は一人の女性が詠い上げたものではなく、あくまで 「労働歌」に過ぎないものと言われているようではありますけれども。 苛酷な労働の毎日。 わが身を美しく装うことなど考えられない日常。 けれど 時代は違っても そして生きている環境は違っていても 美しくありたいと願う私たち女性の心にそう変わりはないと思うのです。 まして 想う人に逢いに行くのなら尚更。 この歌を詠った作者のことを思うとき 彼女のことを妹か娘のように感じることもあります。 どうぞ彼女の恋が実りますようにと願わずにはいられなくなります。 今、もしも彼女が現代に生きていて私の目の前にいたとするならば まず そのあかぎれた両手を包み込んで これ以上痛くならないようにしてあげたいと思う。 想う人の元へこれから逢いに行くのだと聞けば、お節介の私のことですから、思わず「び、美容室に行きましょう!」などと口走るかもしれません(笑)。そして彼女によく似合う洋服をあれこれ選ぶかもしれません。今、私が彼女にしてあげられるありとあらゆる事をすることでしょう。 ・・・・でもね、そんなことを思っていてふと 気づいたのです。 歌の中に出てくる「殿の若子」。 この若君は、彼女のどんなところに惹かれたのだろう、と。 おそらくは、彼女の日常をこまやかに見ていたのでしょうね。 寒風の中、懸命に働く姿。 きびきびとした立ち居振る舞い。 2人きりで逢っている時のはにかんだような笑顔。 その声の響き。 こちらを見つめるまっすぐな瞳。 それらは全て、彼女の心の内面を そのままうつしだしているようにも思えるのです。 おそらくは若君も 彼女のそういう心にこそ惹かれたのではないだろうか と。 美容室も 美しい装いもあなたには必要ないのだよね。 その健気な愛らしさを前にしたら どんな宝石も装いも、きっと色褪せて見えるのだろうね。 ・・・・そんな彼女だからこそ この「小町紅」を手渡したい気持ちになりました。 今 この紅を彼女に差し出したとしましても 彼女はきっと ためらうのでしょうね。 「頂戴するわけにはいきません。」なんて ちょっと後ろに下がったりするかもしれません。 けれど そこはお節介焼きの私のこと、 「これは貴女にこそ相応しいのですよ。」と言って 無理にでも 彼女に手渡すのかもしれません。 「幸せであれ」との想いを込めて。 1200年以上も昔 こんなにも かけがえのない恋をしていた貴女に。 四季の素材「十五夜」
by miyamagakure
| 2007-06-19 08:53
| やまと花
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