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先日 本棚の中に「古伊万里」の本があるのを見つけた。 いつ頃購入したのだろうと記憶をたどれば 確かまだ結婚したばかりのことだったと思う。 器に対する興味をもたせてくれたのは今は亡き祖母である。 まだ5歳になるかならないかの私にひとつひとつ茶碗を持たせては 「これは萩焼」「これは有田焼」と教えてくれた。 博多人形の美しさを教えてくれたのも祖母であった。 何一つ取り柄のなかった私に 「女性は心のきれいさが1番」 「顔かたちは持ってうまれたものだから仕方ないけど 眼だけは このお人形のように美しい人に」と何度も話してくれた。 植物を育てる楽しさを教えてくれたのも 祖母であった。 祖母の庭に育っていた里芋の葉を見て そして叉その葉に乗っている露の美しさを見て、 世の中は何ときれいなもので溢れているのだろうと おさなごころに思ったものだった。 今生きている私の中に 何と多くのものを遺してくれたことかと 今更ながらに 祖母を想う。 幼かった私は祖母のことが大好きで 毎週土曜日になると 祖母の家に泊まり込みで遊びに行っていた。 祖母の家の間取り。 玄関の匂い。 いつも一緒に飲んでいたお茶の味。 ガラス窓に透けていた光。 電灯の色。 いろんなことを教えてくれた祖母の声。 どうしてあの時、カメラを持っていかなかったのだろう。 何でたくさんの写真を残しておかなかったのだろう。 昨年、24年ぶりに祖母の家に行ったけれども 全て取り壊されていて 何一つ跡をとどめてはいなかった。 私の元には何一つ思い出が残っていないと嘆く私に 父は 「心の中にはちゃんと残っている。 それが思い出というものだ。」と 言ってくれた。
by miyamagakure
| 2007-08-25 21:02
| 日々の徒然
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