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昨日、金環日食。 パパが「ちょっと薄暗いぞ」と声をかけてくれた。 実は私自身、金環日食そのものよりも 辺りが薄暗くなることの方が楽しみだったので(変だ) すぐに外に出、あたりを見渡してみた。 ・・・うん、やっぱりちょっと薄暗い。 透明な夕暮れといった感じ。 なかなかいいぞとひとり悦に入っていたら 忙しい中、パパがわざわざ望遠鏡を用意してくれた。 レンズを覗いてみると、おお、まさに太陽が欠けて行く途中。 細い、細い三日月のようだ。 道路にうつる木漏れ陽を見れば みな 弓なりのかたち。 なんだか不思議だなあ・・・と思った。 こんな風に いつもと違った太陽を見られるというのもそうなんだけれど もっと言えば「永遠の中の一瞬」を感じる不思議さ、だろうか。 このたびのように 広範囲において金環日食が確認されるのは932年ぶり。 当時西暦1080年。 後三年の役あたり、白河上皇の院政の始まる少し前。 次に今回のような金環日食に出会えるのは これから300年後の西暦2312年4月8日。 その時には日の出直後から日食が確認されるのだそう。 そしてさらに西暦2361年3月8日、 近畿地方においては実に509年ぶりとなる皆既日食。 西暦2685年3月27日にも かなり広い範囲にて金環が見られるとのこと。 ・・・・932年ぶり、300年後、600年後、などと言われても なんだかぴんと来ないのだけれど 前回の平安時代末期には私は誰と一緒だったのだろう、と思った。 そして数百年後、今度は誰と一緒なのだろうと。 ふと 出勤途中、通学途中の道行く人々に想いを馳せる。 そして この時を一緒に過ごした全国の人々にも。 既にお亡くなりになっている方々も 再びこの世に生まれ 昨日の朝 何処かで同じ空を見上げていたかも知れない。 朝、出勤前の忙しい時間帯に わざわざ望遠鏡を用意してくれるパパを見ながら そして レンズをのぞき込み大喜びの娘を見ながら 300年後も、そして600年後も ずっと一緒にいられるといい、と思った。
by miyamagakure
| 2012-05-22 10:20
| 日々の徒然
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