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ここ数日来の体調不良、少しずつではありますが快方に向かっております。 つい自分の身体を過信し、知らぬうちに無理を重ねていたのでしょう 久しぶりの発作に少し驚きました。 かかりつけのお医者からは 「階段を上れなくなったら、もうあかんのやで。」と言われておりますので 我が家の階段を見上げますたびに 「こんな、たった15段の階段なんか駆け上ってやる!」などと 訳のわからぬ闘志を燃やしております(笑)。 ・・いけませんね、どうも意地になってしまう。 娘が一人前になりますまで とにかく私自身が元気でいなければ・・・と思っております。 これから多感な思春期を迎えますし 進学、就職と 娘も、人生の階段をひとつひとつ登ってゆくわけです。 そのときに私がしっかりとそばにいて 様々なアドバイスをすることができたら・・・と思うのです。 殊に心配していますのが、娘の結婚、出産。 娘が無事に出産を終え、子育てが軌道に乗りますまでは なんとしても元気なままでいなければ・・・・と。 娘は1人っ子ですのでね 他に頼る人がいません。 普段は「長生きしてやる!」と勝手に闘志を燃やし 「目指せ!100歳!」などと暑苦しい気分ではおりますけれども 現実の自分の身体のことを思いますとき、やはり一抹の不安がございます。 とはいいますものの ご安心ください(笑)。 この朝霧、100歳まで生きる予定でおりますので 遠い将来、孫やひ孫に囲まれ慕われ なお矍鑠として彼らにお茶を教え 着物の着付けを教え あんなことやこんなこと(うふふ)、善悪取り混ぜて伝えていく所存にござりまする。 (一体何を伝えるつもりやら) ・・・このたび、娘の訪問着を注文致しました。 (そう、お振り袖ではなく、訪問着です) 順番から言いましたらお振り袖の方が先ですよね(笑)。 でも、このたびは訪問着を注文致しました。 娘もこれからどんどん成長してゆくわけですから いざ大人になりましたとき 一体どれほどの身長になりますか見当もつきません。 しかしながら呉服屋さんに相談致しまして 娘が大人になりましたときの身長を予想しましてね (おそらくは160センチほどになるだろうとの予想の元に) 今回、やや早めの感はありますけれども、仕立てて頂くことに致しました。 たくさんのお着物の中から 娘が最も気に入って選んだお着物です。 数ヶ月後には出来上がる予定ですので、今から楽しみにしているようです。 ・・・お振り袖でしたら、娘が成人式を迎えますときに (万が一)私がいなくなっていたとしましても レンタルやその他の方法で調達することは可能です。 お振り袖は・・・結婚しますとほとんど着る機会もありませんし 仮にお袖を切って短くし、訪問着として纏うとしましても その柄の華やかさ故にほとんど出番はないのではないかと。 それを考えましたら、レンタルの方が現実的かな?とも考えるわけです。 (いや、近い将来、その考えを覆すかもしれませんが(笑) 少なくとも今の時点では、そのように考えているわけです) しかしながら 結婚するときの訪問着ともなりますと 娘1人では揃えるにも一苦労だと思うのですね。 わからないこともたくさんあるでしょうし また、たった1人で呉服屋さんの暖簾をくぐる時の心細さは 私自身が一番よくわかっていることでもあります。 ・・・私が嫁入りしますとき、実家の母は体調を崩しておりましたので 嫁入り道具もお着物も全て、自分1人で揃えたのでした。 いつかくるであろう娘の結納、そしてあちらのご家庭にご挨拶に伺うとき そして結婚後の近所まわりの時、など 結婚しましたあとの方が着物の出番は圧倒的に多くなります。 そのとき、娘が何の心配もなく様々なことを無事くぐり抜けられるよう 母親としてできる限りのことはしておきたいと思うのです。 ですので このたび娘の訪問着を仕立てましたことで 母親としての大事な仕事をまたひとつ済ませることができたように思い ほんの少しではありますが ほっと胸をなで下ろしたことでした。 ・・・幼い頃に読んだ物語の中に「鉢かづき姫」がありまして まだ幼かった私は、「そんな、鉢の中にたくさん入れてあれこれ用意するくらいなら お母さんがお薬飲んで早く元気になればいいのに。」などと 浅はかにも思っていたものでした。 自身が年を重ね 母親となり 年ごろの娘を持ってはじめて この物語の母親の気持ちがわかったように思うのです。 本当ならば この自分が我が子を包んであげたい 我が子が山道を行くのであれば、自分が楯になり守ってあげたい ・・・そんな母親の思いがようやくわかってきたように思います。 ・・・誰しも 我が子の行く末を見守り その一生を見届けたいと願います。 しかし、その願いが叶えられることはなく 「幸せであれ」との心を遺し この世を去っていくわけです。 もしも、万一 予定よりもほんの少し早く 私がいなくなった場合のことを考えまして 娘には こう申しました。 ・・・ママが心を込めて用意したお着物が これからもずっと、ずっとみいちゃんを守ってくれるよ。 みいちゃんがおばあちゃんになったときでも ママの心はみいちゃんのそばにいるよ。 娘が年を取りましたとき そのお着物を手にとり 私が娘を抱っこしながら伝えたこの言葉を 懐かしく 心つよく思い起こしてくれることでしょうか。
by miyamagakure
| 2008-11-30 22:22
| 日々の徒然
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